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強い。現在でもこのトビリシ宣言の12の原則がよく取り上げられるのは、「持続可能な社会の実現」という目標がその後の世界的コンセンサスとなり、環境教育が社会的に緊急の課題として位置づけられたことと関係深い。整理すれば、個人レベルの学習目標はベオグラード憲章で項目が整理され、問題を社会的に捉えた対応という側面は、トビリシ宣言以降に強く前面にでてきたといえる。
<トビリシ宣言の12の原則>
1.環境をその全体において包括的に考えること(自然と人工、テクノロジー的な見方と社会的な見方、経済・政治・文化と歴史・道徳・美的な見方)。
2.生涯継続する過程と考えること(幼稚園レベルからスタートして、その後の一生の学校及び学校外の全教育課程の中で)。
3.個別学科を越えたアプローチを採用すること。各学科に適した環境教育内容にしながらなおかつ総合的でバランスのとれた理解が可能になるようにすること。
4.主要な環境問題を各々、ローカル(地元地域)、リージョン(地方)、全国的、そして国際的な視点から学習する。
5.歴史的な視野を考慮しながら、現在と潜在的な環境状況に焦点を当てる。
6.環境問題の予防と解決のため、地域・国・国際レベルでの縦断的協力が必要であり、また大切であるということについて、学習を促進する。
7.開発と成長の計画の中で明確に環境の視点を考慮する。
8.生徒たちに彼らの学習経験のプラン作りをする場合に参加させ役割を与え決定のチャンスを与えると共に、自分の決定したことの結果を良くも悪くも受け入れさせる機会にする。
9.環境に対する感受性・知識・問題解決技能・価値観を明確にすることをすべての年齢に適した形で教え、特に初期には生徒白身の地域社会に対する環境的感受性を強調すること。
10.環境問題の徴候と真の原因を生徒たちが発見できるよう援助する。
l1.環境問題の複雑さを強調し、批判的な思考能力や問題解決の技能を開発する必要があることを教える。
12.環境について教え、環境から学ぶという関係へのアプローチの方法として多様な学習手段と広範な教育方法とを利用する特に実践的活動や直接参加する経験を強調する。

図2−5.トビリシ宣言の12の基本原則

 

 

 

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